矢澤 浩勝

やざわ ひろかつ

 

1999年生まれ 松本市在住

 

 

Story

支援者 父 矢澤 昌浩

 

松本養護学校の小学部2 ~ 3 年から図鑑や絵本、アニメを参考にして、機関車トーマスや恐竜など、興味のあるものの絵を描き始めた。それからずっと同じような絵を描き続けている。
絵を描いている時は仕上げるまで集中していることから、自分を落ち着かせる行為であるようにも感じている。描く紙は学校や施設で使ったプリントの裏やカレンダーの裏、広告の裏、メモ帳と、描ける紙なら何でも使っており、これまでの作品は家族が大切に保管してきた。
コピーしたように、ほぼ同じ絵を描くのが特徴で、癒し系の恐竜は見る人を和ませてくれ、オリジナルTシャツやバックにプリントして、家族で着たり、知り合いに配ったりしている。
穏やかで静かな所を好む一方、体を動かすことも好きで、必ず毎朝5:30 に起床し、6:25 にはE テレのラジオ体操を日課にしている。また、時には私と自転車で一緒に出掛け、諏訪湖一周なども楽しんでいる。

 

 

 

 

 

Suteki

ヤザワサン ノ ステキ

 

そのゆるさと愛らしさに、一瞬で虜になった。と同時に、葛藤が渦巻く。これはさすがにゆる過ぎるかな。そんな想いを秘めながら、デフォルメされたシンプルな線画を、1 枚、2 枚と眺めていく。すると、どうだろうか。びっくりするくらい、同じ構図、同じ配置、同じ色彩で描かれた絵が、まるでコピーのように現れる。シカの背中の斑点の数まで同じだ。これは意外にゆるくないかな。そんなパターン化された絵の中に、新しい生き物が現れたり、居なくなったり、組み合わせの妙。癖になる。
丁寧に色鉛筆で描かれた恐竜をはじめとする生き物たちは、食玩みたいで、見るほどに愛くるしくなる。残忍さも凶暴さもまるでなく、どこかのんびり。一般的な美術の物差しで測れば、決して上手くない絵だろう。
でも、アートの物差しは、上手いか下手かではない。見た人が、素敵だな、と感じるどうか。
( 森泉 智哉)

 

 

 

主催  長野県 | ザワメキサポートセンター

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