由宇太

ゆうた

 

1992年生まれ 上伊那郡辰野町在住

 

 

Story

支援者 母 やまもと けいこ

 

未熟児で生まれ、四肢に麻痺のある息子は、小学校に入学した時上手に文字を書くことは出来ませんでした。そんな中、短期入学した養護学校でパソコンを教えて頂き、人差し指だけで文字が書けるようになりました。そして自由に文章を書く楽しみを知り、日記を書いたり、難しい漢字を覚えたりすることが出来るようになりました。
やがて学校を卒業し、福祉作業所でパソコンを使う時間ができ、小学生の頃遊んでいた「しりとり」を書いて楽しむようになりました。幼い頃から好きだった野球、サッカーなどのスポーツ番組、毎朝見るニュース、大好きな音楽番組やアニメ等、テレビやネットなどから知った情報を記憶の中から呼び出したり、ひらめいたりしながら「しりとり」を作るのは、息子にとって楽しみの時間になっています。息子の興味や関心によって「しりとり」が、これからどのように進化していくのか楽しみです。
最後になりますが、今回発表の機会を与えてくださった関係者の皆様に、心からお礼を申し上げます。

 

 

 

 

 

Suteki

ユウタ ノ ステキ

 

少しビックリした。これ、アートか?とも、思った。長くアートやクラフトの世界にいるけど、こうゆう作品や行為は、あまり見たことがなかったから。
でも、よく考えてみると、詩だったり、短歌や俳句もあるぞ。言葉というものを扱う人がいても、おかしくないぞ。
実際、ノートに赤裸々に想いを綴る人たちは、少なからずいるぞ。言葉を扱う芸術はたくさんあるけど、その、どれにも当てはまらない。だんだん、この作品と作者に会いたくなってきた。しりとりっていうところが、ポップなんだ。活字っていうところが、生々しさがなくって、版画のようでもあるし、ワードも日常的なモノばかりで、大量消費への反抗から広まったポップアートの末裔みたいな雰囲気も漂う。
でも、ボクは、そういった面白さと矛盾する要素にも惹かれている。無機質な活字の連なりの奥に見え隠れする、1 人っ子のおままごと遊びみたいな、都会の夕暮れ時のような、一抹の寂しさがある。
こうゆう表現もいいんだよ。形になんか、ならなくたっていい。そういうボクの意図を代弁してくれるような作家と作品に、表現の可能性を感じる。 ( 森泉 智哉)

 

 

 

主催  長野県 | ザワメキサポートセンター
共催  長野県教育委員会 | 信州アーツカウンシル(一般財団法人長野県文化振興事業団)
障害者芸術・文化祭のサテライト事業
長野県県民芸術祭2023 参加

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