伊藤 庄一

いとう しょういち

 

1962 年生まれ 飯田市在住

 

 

Story

支援者 明星学園 正村 美千枝

 

絵を描き始めるきっかけは、この“コロナ禍” であった。伊藤さんは、コロナ前は、社会貢献をしたいという理由から、ペットボトルの蓋を集めて寄付を行っていた。その為に、よくコンビニに蓋を集めに行っていたが、コロナのため集めることが難しくなっていた時に、職員が日課のアート活動に誘ったのがきっかけだ。絵を描くと、周りの職員を巻き込んで見に来てもらい、褒めてもらうと嬉しくて、そのうちにアートの時間以外でも描くようになった。毎日描いた絵を持って来て、職員に褒めてもらうのが嬉しいようで、いろんな職員に声を掛けてもらっている。庄一さんにとって絵を描くことは職員との新しい「つながり」なのだろう。また描いた絵を飯田駅の展示スペースに展示に行くのが、ペットボトルに代わる、新しい「社会とのつながり」にもなった。絵を描き始めて2 年になる。四つ切り画用紙に、毎日2~3 枚描いているので、何百枚と溜まっている。好きなドラマを観ている以外は、描いている。題材は、好きな職員や仲間、テレビのキャラクターやドラマの主人公。風景は、出身の伊那の街のゆかりのある社協やお店など、昔から庄一さんの関わりのあった場所が多く、最近では外出で行った飯田の店舗なども描いてくれるようになった。施設で暮らしはじめた頃は、特定の職員としか話すことができず、孤立していた本人が、今では絵を通じて広がった仲間や職員と関係をとりながら、みんなの真ん中で暮らしている。

 

 

 

 

 

Suteki

イトウサン ノ ステキ

 

カラフルな四角が並ぶ、ほのぼのとした抽象画だなぁ、と思って眺めていた。しかし、どうも違うらしい。ところどころに、お店の名前が書いてある。そうか、これは建物や街並みなのか。その瞬間、フンデルトヴァッサーというアーティストのことを思い出した。建築や絵画など幅広く手がけたオーストリアのアーティストで、幾何学や渦巻き模様の魅力に取り憑かれた作家だ。どことなく、似ている。作者も、取り憑かれているのだろうか。幾何学の魔力というものがある。らしい。インドやペルシャ、ネイティブアメリカン、北欧、挙げ出したらキリがない。歴史的にも、遡れば何千年もはるか彼方まで。幾何学や図形は、人間の装飾行為の最も基本的なモノだ。そう考えると、イオンやカッパズシやローソンが、四角で描かれても、何一つおかしくない。と、無理矢理、右の耳を左の耳にくっつけるような理論を展開する。いや、やっぱりおかしい。おかしいから、面白いのだ。アートは学校のテストじゃない。正しいことだけが正解ではない。 ( 森泉 智哉)

 

 

 

主催  長野県 | ザワメキサポートセンター

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