依田香
よだ かおり
1962 年生まれ 上田市在住
依田さんは、花瓶に生けられた花をモチーフとして絵を描く。鉛筆で下描きをしたら、サクラクレパス(彼女はこのブランドのものしか使わない)で色を付けていく。花とサクラクレパスは、どうしても譲れない彼女のこだわりアイテムと言えよう。
「花」
クレパス、鉛筆、紙
活けられた花と花瓶。 それが彼女が選び描くモチーフだ。 鉛筆で下書きをしたらサクラクレパスで塗り込んでいく。 花も背景も四角く面をつくり、その中を塗り込む。それを一気に描き終えるのではなく、複数の作品を同時に何枚も平行して制作する。 そしてその中の1 つがいつの間にか完成しているのである。 彼女には師事している先生もおり、以前は水彩や油絵の具での制作もしていたようだ。 現在はサクラクレパスを愛用し、塗り込むことで消費してしまうのだろう、不足している色を補うように何箱ものそれを持ち歩いている。 モチーフの花も生花をアトリエで飾ってはいるが、実際に描いているそれとは違うこともある。 小さな面の中を配色を確認するかのように何度かに分けて塗り込んでいく。 塗り込むことで出るサクラクレパスのカスが、スケッチブックの開け閉めや制作を繰り返すことで塗り込まれていくことで、モザイク状の色彩構成によって描かれている花の絵に不思議な深みを生み出している。