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向山 政則

むかいやま まさのり

 

1974 年生まれ 駒ケ根市在住

 

福祉施設の一角にある向山さんの専用ブースは、彼の宝物で溢れている。手描きのメモ、新聞記事、そして無数のトランプが、壁全体に貼りつくされ、机の上も同じように埋められている。その場所は無秩序に見えるが、彼独自のルールがあるようだ。

 

 

「無題」

 

 

2016年図録より

 

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言葉を発しない向山氏だが、利用する福祉施設の一角に作られた本人専用のブースには、さまざまなメモのようなことが書かれており、そこにはベートーベンなど音楽家の生誕や難しい言葉が書きなぐられている。
そして最近ではそのメモの上にトランプが無数に貼られ、まるで「ここは僕だけの大事なバショだ。」と言わんばかりの空間となっている。
執拗なまでに大量のトランプを貼り重ねるのは何を意味するのか?
施設生活において支援員は忙しく動き回り、なかなか自分とはじっくりと向き合ってもらえない。
そんな生活の中で、切実な自分主張をしている行為なのかもしれない。
自分が気になった事柄、言葉を書き止めていく、そして一見、無秩序に貼り付けられたトランプや時計…。
何を意味するのかわからないだけにそそられるのである。

主催  長野県 | ザワメキサポートセンター
共催  長野県教育委員会 | 信州アーツカウンシル(一般財団法人長野県文化振興事業団)
障害者芸術・文化祭のサテライト事業
長野県県民芸術祭2023 参加

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