田中 芳幸

たなか よしゆき

 

1979 年生まれ 伊那市在住

 

田中さんの描く虹や太陽は、誰もが想像する形ではない。その虹や太陽からは光が溢れ、エネルギーが迸っている。数年前から虹や太陽を主な題材として描くようになったそうだが、その理由を聞いても穏やかにほほ笑むばかりで答えてはくれない。ただ、彼の描く温かみのある絵は周囲の人たちを幸せにしているようだ。

 

 

左から
「太陽」 「太陽」 「虹」(上) 「虹」(下) 「太陽」 「太陽」
色鉛筆、紙

 

 

2019年図録より

 

鮮やかな色が織りなす田中さんの作品。虹や太陽を題材としている。誰もが思い描くような典型的な形はそこにはなく、独自のイメージに変換されて描かれている。田中さんが受け取る虹や太陽からのエネルギーを表現しているのだろうか。私が訪問した時、とても穏やかな笑顔で絵に向かう田中さんの姿があった。大柄な体を丸めながらゆっくりと、そして細かく色鉛筆を動かしていた。下書きはせず、色彩の粒や帯を少しずつ紙上に足していく作業だった。絵を描くことは小さい頃から好きだったが、
数年前から虹や太陽を主な題材とするようになったそうだ。そのきっかけについて田中さんに質問をしてみたが、微笑みながらはにかんでばかりで答えてはくれなかった。現在は所属する事業所で受注作業が全て終わると制作に向かっている。絵を描いた日の日記には必ず太陽が笑っている絵が描いてあり、「楽しかった」の一文が添えられている。
担当の支援員さんから、元気になるからという理由であるサイクリ
ング部のウインドブレーカーに作品が使われていることを聞いた。
温かみのある作品はまわりの人々にとても好評のようだ。(小川)

 

 

 

「虹」2019

主催  長野県 | ザワメキサポートセンター
共催  長野県教育委員会 | 信州アーツカウンシル(一般財団法人長野県文化振興事業団)
障害者芸術・文化祭のサテライト事業
長野県県民芸術祭2023 参加

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