森田 博康

もりた ひろやす

 

1963 年生まれ 佐久市在住

 

福祉施設で生活している森田さんは、夜に自室でT シャツやズボンの縫い目を裂き、翌朝それを身に着けて堂々と出てくる。彼はなぜ服を破るのか、本人から答えを聞くことはできない。ただ、彼のその堂々とした着こなしは、私たちに何かを伝えようとしているように思える。

 

 

「無題」

 

 

2017年図録より

 

若者などが破れたデニムやT シャツをファッションとして着ることは特に珍しくもないが、福祉の現場では破衣行為は問題行動とされている。多くの研究者によってこのような問題行動にはコミュニケーションの機能があると論じられているそうだ。その理論からすれば、破衣行為は障がいのある人にとっての「コトバ」のようなものかもしれない。

私たちは言語を操り、他者とコミュニケーションをしている。障がいを持つ人の中には言葉でのコミュニケーションが難しい人も多く、森田さんもその一人である。森田さんは、ほぼ毎日自室で洋服を破り、それを着ることで他者とは違う自分を創造し、その「コトバ」で何かを伝えようとしている。社会がそれを不適当なものとして捉えているか否かに関わらず、今日も森田さんは、背部に穴の開いたT シャツと足の先が無くなった靴下を着こなし、堂々と表現している。

 

 

 

 

「無題」制作年不詳

「東京2020 NIPPONフェスティバル」共催プログラム
信州・アート・リングス ~文化でつながる。文化を創る。そして美しい未来へ~

長野県では、(公財)東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会と
「東京2020 NIPPONフェスティバル」共催プログラムを開催します。
長野県の魅力ある文化プログラムをお楽しみください。

東京2020 NIPPONフェスティバル

主催-長野県/長野県教育委員会/ 信州ザワメキアート展2021 実行委員会
共催- (公財)東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 / 茅野市美術館
長野県 令和3年度 障がい者の芸術作品展開催事業
長野県県民芸術祭2021参加

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