石井良樹
いしい よしき
1994 年生まれ 松本市在住
1.2.3と数字を丁寧にゆっくりと墨で書いていく。石井さんは思うように体が動かないので、筆が途中で止まってしまったり、勢い余って画面からはみ出してしまうこともある。完成した作品は、書かれている数字は重要ではなく、彼の渾身の力が込められた唯一無二の抽象画となった。
「無題」
墨、和紙
作者が通う施設で、アートワークショップに参加。墨あそびや、色あそびを気が向けば取り組む。 重い障がいゆえに作者の身体の動きはままならない。 ぼんやりとした意識の中に立ち上がってくるのが数字なのだろうか?おぼつかない手で持った筆は、迷走したり、立ち止まって動かなくなったり、いきなり走りだしたり。 1,2,3・・・・という数字を書き重ねられていく。 そして線は必ず紙の端まで引かれる。まるで大地から『いのち』がゆらゆらと立ち上がってくるかのようだ。