近藤 康隆
こんどう やすたか
1973 年生まれ 駒ケ根市在住
リサイクルされるはずの銅線を積み上げる行為にどのような意味があるのだろうか?それは本来なら支援者によってたしなめられる行為だが、周囲の人たちは近藤さんの自己表現だと認め、温かいまなざしで見守っている。
「無題」
本人には、食べた食器を舐めてキレイにするなどの独自のこだわりがある。 今回の作品もそういった本人のこだわりの一つにより、利用する福祉施設の作業時間中に生まれた。 本来は導線の金属部分をニッパーで切り取り、リサイクルするための作業時間なのだが、朝から帰るまでの時間、自分の机に導線を運んでは真剣に積み上げる。 他の利用者の様子など見向きもせず、お皿に導線を盛り、3 つ4 つの山を作ってから、それを合体させて段々に大きくする。 高さ60cm程の高さになる時もあるが、ある程度大きくなるとそれを崩して、また積み上げる…という行為を繰り返す。 また、本来はリサイクル作業であるにも関わらず、導線を積み上げる「その行為」を見守っている福祉施設の支援風景を想像すると、何か作品から温かさを感じる。