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羽柴 富久美

はしば ふくみ

 

1952 年生まれ 北佐久郡軽井沢町在住

 

羽柴さんが描く女性の目は、正面でも横を向いていても必ず正面を見ている。くっきりとした黒い線で描かれた目は、古代エジプトのシンボルであるホルスの目のようだ。彼女が絵を描き始めたのは、福祉施設でのアート活動に参加するようになったことがきっかけだが、今では積極的に時間を見つけては絵を描いている。

 

 

「女の子」

油性マーカー、紙、キャンバス

 

 

2016年図録より

 

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羽柴さんは、29 歳で障がい者支援施設に入所して、以後、薪割りや椎茸栽培などの生産活動に従事してきた。
平成23 年に施設内で発足したアート活動の場「アトリエぽっけ」に参加するようになり、絵を描き始めた。
彼女が描くのはおしゃれな女の子だ。描き始めた当初は黒髪のおとなしそうな女の子だったが、徐々に髪の毛の色が黄色や緑、紫などになったり、洋服に模様が入ったりと変化してきた。
しかし、正面を向いた体に横を向いた顔というスタイルは当初から変わらず、顔は横向きだが目は正面を見ているところは古代エジプトの壁画を彷彿とさせる。
つけまつげをつけたようなぱっちりとした目はホルスの目と言ったところであろうか。
背景に動物や細かな模様を入れるようになり、徐々に大きなサイズに挑戦するなど作品はどんどん進化してきているが、一貫して独自のルールに基づいた女の子を描いていることに深遠な魅力があり、人の目を引き付ける。
大きな作品は中央を境に上下反対の向きから描かれることで宇宙を象徴しているように思え、アンバランスで平面的な描写がかえって観念的に見えてくる。

主催  長野県 | ザワメキサポートセンター

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