如月

きさらぎ

 

1971 年生まれ 長野市在住

 

 

「チェインギャング」(絵)を見ていると、劇場にいるような気がしてくる。舞台の場面はクライマックスで、俳優たちが音に合わせて演じている。楽しそうなのに切なさがあって、悲しそうなのに明るい希望が感じられて…袖幕にいる猫は誰だろう。きっと目の前にいるモノたちのメッセージを受け取り、その表現に隠された大切な意味に気づいているに違いない。
この作品は“残虐” という言葉を筆ペンで描いたところから生まれたという。作品は2 つでひとつ、それゆえ表現された文字はモチーフとして、漢字の通りには読まず、 “残虐” には「生きる」というタイトルがつけられている。
「生きていくことはきれいごとではない。誰かを守ることは、誰かが苦しむような気がする。」と語る如月さんの制作に対する姿勢は真剣で、スケッチをし、線や形、色、構成に神経を使い追求していく。
“笑”「君のために、僕のために」、“苦中”「喜び」、“感性”「仕合わせ」など、独特のユーモラスな文字( モチーフ)からは、暮らしの中で大切にしている作者の想いが感じられ、ほろりとさせられる。その源は、生きていく中で抱える痛みや矛盾、疑問や迷いを、自力で解決していく作者自身の強さにあるのだろう。(坂田)

 

 

「チェインギャング」(絵)+「生きる」(文字“残虐”)2018