森田 博康

もりた やすひろ

 

1963 年生まれ 佐久市在住

 

 

若者などが破れたデニムやT シャツをファッションとして着ることは特に珍しくもないが、福祉の現場では破衣行為は問題行動とされている。多くの研究者によってこのような問題行動にはコミュニケーションの機能があると論じられているそうだ。その理論からすれば、破衣行為は障がいのある人にとっての「コトバ」のようなものかもしれない。

私たちは言語を操り、他者とコミュニケーションをしている。障がいを持つ人の中には言葉でのコミュニケーションが難しい人も多く、森田さんもその一人である。森田さんは、ほぼ毎日自室で洋服を破り、それを着ることで他者とは違う自分を創造し、その「コトバ」で何かを伝えようとしている。社会がそれを不適当なものとして捉えているか否かに関わらず、今日も森田さんは、背部に穴の開いたT シャツと足の先が無くなった靴下を着こなし、堂々と表現している。

 

 

 

 

「無題」制作年不詳