澤田 和樹

さわだ かずき

 

1998年生まれ 駒ヶ根市在住

 

 
Story

支援者 社会福祉法人アンサンブル会 アンサンブル駒ヶ根 水間 順子

 

「見て!澤田さんがおもしろいことやってる!」澤田ワールドを見つけたのは令和2 年5月アンサンブル駒ヶ根での生活がスタートして数日目のこと。どこから見つけてきたのか指先サイズの小石や土の塊がいくつも集められ、一粒つまんでは向きや間隔に拘ってじっくり時間をかけて並べられていました。人が多く集まる場所から少し離れた緑茂る静かな場所で、3年が過ぎた今でも毎日夢中になって真っすぐな視線で吟味して並べています。小石並べから始まった澤田さんの心の表れは、ゆっくりと着実に、そして表情も豊かに広がっていることを感じます。王滝村の穏やかな環境で育った澤田さんは優しくて力持ち。両手が塞がった職員のためにと玄関ドアを開けてくれて、「今日もありがとう」とハイタッチ。たくさんの草運びを根気良く続けてハイタッチ。これからも安心できる仲間の中で、ささやかだけど大切な経験を重ねながら澤田さんの心が豊かに弾みますように。真っすぐな視線とにこやかな優しい瞳が、ずっと続きますように。

 

 

 
zawameki artiens
 

京都龍安寺石庭。白砂に配された15 個の石は、戦乱に明け暮れた室町の安寧を祈るミクロコスモスのようです。さかのぼること今から3 万7000 年前、佐久市香坂山遺跡からは拳大の石を並べた日本最古の配石が発見されました。日本列島に最初に訪れた私たち人類は、どんな意図で石を置いたのでしょう。澤田さんの石を並べる思いに、考古学的な推理を働かせるのは野暮というものかもしれません。しかし、長い時間をかけて一心不乱に石を配する姿を想像すると、記憶を再配置するような重要な意味をもつのでは、などとつい考えてしまいます。そして今日も、棋士が碁盤に真摯に向合うかのように、澤田さんの指は小さな石を打つのです。( 堤  隆)

 

 

 

 

 

 

主催  長野県 | ザワメキサポートセンター

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