大島 祐樹

おおしま ゆうき

 

2000 年生まれ 長野市在住

 

大島さんは、子供の頃から言葉で伝えられないことを絵で表現してきた。週に二回ある障がいのある方たちのアトリエでの制作で、一人だけの空間で静かに描いている。彼は、モザイクのように細かく分割した画面をカラフルに埋めていく独特の画法を用いて、失敗することなく慎重に描き進めていく。

 

 

左から
「モデルさん」 「たたずむ男」 「男」
鉛筆、色鉛筆、画用紙

 

 

2019年図録より

 

大島さんの絵を見ていると”解像度”や”画素数”という言葉を思い出す。例えば青空を描く時は、濃淡の違いを線で区切ってゆき、色を塗り分けて行く。プリンターでいうところの、”スキャン”と”出力”というわけだ。そしてその色分けがだんだん細かくなってきている。つまり解像度が上がっているということだ。その分、一枚にかける時間も長くなってきている。ただプリンターと違い大島さんはその作業の合間に、生活を挟んでいる。家や施設での生活の揺れは大島さんの描く絵に不思議な魅力を持たせているようにも見える。養護学校時代に描いていた絵は鳥瞰図のように見下ろしていた構図なのに対して、いまの施設で描く絵は写真を写した平面的なものになっているというこの違いにも注目してほしい。(佐々木)

 

 

「モデルさん」2019

 

 

 

 

「恐竜公園」制作年不詳

 

 

主催  長野県 | ザワメキサポートセンター
共催  長野県教育委員会 | 信州アーツカウンシル(一般財団法人長野県文化振興事業団)
障害者芸術・文化祭のサテライト事業
長野県県民芸術祭2023 参加

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