鈴木 かよ子

すずき かよこ

 

1958 年生まれ 北佐久郡軽井沢町在住

 

10 歳くらいから福祉施設で生活している鈴木さんは、その頃から現在までほとんど毎日、同じ女の子と花と太陽を描き続けている。その絵はハガキサイズの紙に描かれ、構図も色もほとんど変わらない。描かれている女の子は彼女自身だそうで、その絵は彼女が生きてきた年月と同じだけ増えていく。

 

 

「私」

色鉛筆、紙

 

 

2018年図録より

 

鈴木さんは福祉施設に入所した10 歳頃から60 歳の現在まで、長い年月にわたりずっと同じ絵を描き続けている。もしかすると入所前から描いていたのかもしれない。それはいつも同じ女の子の絵で、本人に尋ねるとその女の子は自分自身らしい。ハガキくらいのサイズに切られた紙の表側には笑顔の女の子と太陽と花、裏側には太陽と花が描かれている。花はひまわり、チューリップ、タンポポなどだそうで、女の子の洋服も花もピンク、黄色、オレンジといった色で毎回同じように塗られている。
過去の作品はもう処分されていてなくなってしまったが、今までにどれほどの数の同じ絵を描いてきたのだろうか?以前は輪郭線の中にきっちりと色を塗っていたのだが、最近では視力が落ちてきたのか線からはみ出したり雑な塗り方になったりしていて、描き続けている年月の長さを感じる。その温かみのある優しい自画像は、自分を映す鏡のように鈴木さんの部屋の壁に何枚も飾ってある。(大谷)

 

 

「わたし」 ~2018

主催  長野県 | ザワメキサポートセンター
共催  長野県教育委員会 | 信州アーツカウンシル(一般財団法人長野県文化振興事業団)
障害者芸術・文化祭のサテライト事業
長野県県民芸術祭2023 参加

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