伴在 登志雄

ばんざい としお

 

1947 年生まれ 松本市在住

 

伴在さんはずっと福祉施設で暮らしている。ある日、彼が、錆びた針金や釘、ネジなどをエアコンの室外機の上に並べているのを、施設の支援員が見つけた。彼はこの行為をいつの間にかこっそりとやっている。彼に理由を聞いてもニコニコ笑うばかりで、理由は謎のままである。

 

 

2018年図録より

 

伴在さんが生活する福祉施設を訪れたときのこと。スタッフが「こんなことをしている人がいるんですけど」と窓の外を指さした。エアコンの室外機の上に、おそらく散歩をして拾ってきただろう釘やネジが何気なく並べられていた。野ざらしになって錆びも浮いている。そして建物とコンクリートテラスの境目に沿って無心に石を並べている伴在さんの姿があった。誰も見ていないところでこっそりとそんなことを時々しているらしい。そしてそれらはいつの間にか取り払われて別のところに移動しているようだ。施設での生活が長いため、スタッフも入れ替わり、いつからなんのためにこんなことをしているのかわからないと言う。
その並べ方は伴在さんにしかわからないルールがあるようだ。最近はボタンを集めて並べていたり、土の上に石や板を立てて並べて、まるでそれが古代の石の列柱遺跡か墓地を思わせる風景があり、案内してくれた伴在さんはそれに向かって手を合わせていた。なぜそんなことをするのか、言葉でのコミュニケーションが難しい伴在さんはニコニコしながら語ってはくれない。まるで自分流の儀式らしきことを、人知れずこっそりとおこなう行為と、並べられた風景の意味するところはナゾであり、思わず笑いを誘う。おそらく今日も人目につかないところでこっそりと並べている伴在さんである。(関)

 

 

「無題」制作年不詳

 

 

 

「無題」2018

「東京2020 NIPPONフェスティバル」共催プログラム
信州・アート・リングス ~文化でつながる。文化を創る。そして美しい未来へ~

長野県では、(公財)東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会と
「東京2020 NIPPONフェスティバル」共催プログラムを開催します。
長野県の魅力ある文化プログラムをお楽しみください。

東京2020 NIPPONフェスティバル

主催-長野県/長野県教育委員会/ 信州ザワメキアート展2021 実行委員会
共催- (公財)東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 / 茅野市美術館
長野県 令和3年度 障がい者の芸術作品展開催事業
長野県県民芸術祭2021参加

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