伴在 登志雄

ばんざい としお

 

1947 年生まれ 松本市在住

 

 

伴在さんが生活する福祉施設を訪れたときのこと。スタッフが「こんなことをしている人がいるんですけど」と窓の外を指さした。エアコンの室外機の上に、おそらく散歩をして拾ってきただろう釘やネジが何気なく並べられていた。野ざらしになって錆びも浮いている。そして建物とコンクリートテラスの境目に沿って無心に石を並べている伴在さんの姿があった。誰も見ていないところでこっそりとそんなことを時々しているらしい。そしてそれらはいつの間にか取り払われて別のところに移動しているようだ。施設での生活が長いため、スタッフも入れ替わり、いつからなんのためにこんなことをしているのかわからないと言う。
その並べ方は伴在さんにしかわからないルールがあるようだ。最近はボタンを集めて並べていたり、土の上に石や板を立てて並べて、まるでそれが古代の石の列柱遺跡か墓地を思わせる風景があり、案内してくれた伴在さんはそれに向かって手を合わせていた。なぜそんなことをするのか、言葉でのコミュニケーションが難しい伴在さんはニコニコしながら語ってはくれない。まるで自分流の儀式らしきことを、人知れずこっそりとおこなう行為と、並べられた風景の意味するところはナゾであり、思わず笑いを誘う。おそらく今日も人目につかないところでこっそりと並べている伴在さんである。(関)

 

 

「無題」制作年不詳

 

 

 

「無題」2018