西村 美恵子

Mieko Nishimura

 

1970年生まれ 駒ヶ根市在住

 

 

木 Trees

 

西村さんの絵は顔に見えるが、実際にそうなのかは答えてくれない。決まった順番で、線をぐるぐると重ねていく。その筆の動きには迷いがないが、やがて、ぴたっと筆を止めて、席を離れる。彼女の暮らす施設ではそういった日常が繰り返されている。ひとつの絵には終わりがあるが、彼女が作品を描き続ける行為には終わりはないようだ。

Nishimura’s painting looks like a face, but she does not say definitively whether it actually is. She overlaps the lines round and round, in a fixed order. She moves her brush without hesitation, but then stops painting and leaves her seat. Such daily life is repeated in the care home where she lives. There is an end to each work, but there seems to be no end to her drawing.

 

 

 

 

無題:油性マーカー、クレヨン、色鉛筆、水彩絵の具、墨、紙
Untitled: oil-based marker, crayon, colored pencil, watercolor, india ink on paper

 

 

 

日々 Daily life

 

制作スタイルはここ数年変わりません。美術活動の席についたらすぐ画材に手を伸ばして制作がスタート。最初に顔(らしき)形を線で描き、それを繰り返し繰り返しなぞっていきます。制作の終りは突然やってきて支援員とハイタッチをして自席に戻って行きます。その時の気分で制作時間に変化があり、最近は比較的に短くなった様に思います。短い時は2~3分で終了することも。これは誰か特定の人の顔なのか、もしくは顔ではないのか。尋ねても相変わらずはぐらかされるばかりです。

(支援者 社会福祉法人 長野県社会福祉事業団 長野県西駒郷 小川 泰生)

主催  長野県 | ザワメキサポートセンター

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