北村 隆晃

きたむら たかあき

 

2000 年生まれ 千曲市在住

 

北村さんは、小学校5 年生の頃から折り紙を作り始め、高校生になってからオリジナルの折り紙を作るようになった。一枚の紙から複雑な構造の作品を作るので、厚さや強度にこだわり、作品のテーマに合う色や折りに適した紙を常に探している。また、展開図を作ったり直したりを繰り返し、イメージ通りの形を追求している。

 

 

「ヤツカダキ」(左上) 「アルバトリオン」(左下) 「イヴェルカーナ」(中)
「ナルハタタヒメ」(右上) 「オニヤンマ」(右下)

 

 

2019年図録より

 

ギリシャ神話の幻獣 “ケルベロス“は、「オオカミのようにスタイリッシュにしよう」とデザインが工夫されている。足の爪5 本の折り出しと、生きいきした尻尾の表現、特に3 つの頭のバランスは難しく、構想から完成まで10 時間くらいかかったという。小5 の頃から折り紙に興味を持ち、高1 の頃からオリジナル作品に着手。紙は、厚さや大きさ、強度、色など折りに適した素材を試し、裏打ちをする。そのために、富士山の近くまで行ったこともあるそうだ。「折りながら展開図を書き、書きながら折り方を工夫する…」「完成しても、壊しては作り直しどんどんバージョンアップさせるのが面白い。」ねじり折りや蛇腹折りなどの複雑な構造パターンと重ねられた補助線は、アルミに燻( いぶし) 銀( ぎん)のような質感を与え、黒や赤を深みのある色に変化させる。さらに、何層もの襞( ひだ) が作る陰影が重さを生み、キャラクターたちは今にも動きだしそうな気配を見せていく。北村さんの作品は、ハサミもノリも使わない( 不切正方形一枚折り)。創作折り紙の分野で最も難しいとされるものばかりで、その技術と閃きが独自の形を生み出している。(坂田)

 

 

 

「ケルベロス」(折り紙)2019

 

 

 

展開図の一例(メガゲンガー)

 

 

 

制作中

 

主催  長野県 | ザワメキサポートセンター

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