佐藤 元子

さとう もとこ

 

1954 年生まれ 飯田市在住

 

佐藤さんは、セロテープを丸めて積み重ねていく。透明なセロテープはふわっとした塊となり、キラキラと輝いて見える。その行為は幼少時に始まったようだが、特にお母さんが出かけて一人で家にいる時に行っていたようだ。

 

 

写真左側

「無題」

セロファンテープ

 

 

2018年図録より

 

透明なセロテープが丸められてふわっと積み重ねられている。これは何だろう、なぜそんなことをするんだろうかと、のぞき込みたくなる作品である。
小さなころから施設で暮らしていたが、18 歳になり実家に戻りお母さんと暮らす。お母さんは本人を連れて下伊那の山間地の集落を回り、衣類を販売する行商生活をしていたそうだ。
そのお母さんは8 年前に亡くなり、今は義姉との二人暮らし。セロテープを丸めることは幼少の頃より始めていたが、特に実家でお母さんと二人で暮らすようになってからお母さんが出かける時は一人、セロテープでずっと遊び、寂しさを埋めていた様子。お母さんが亡くなって以降も毎日セロテープを積んでいる。
作者が通う福祉施設では、他にもセロテープや粘着テープにこだわる人がいるが、それは大切な人とつながりたい、つなぎとめておきたい気持ちの表れではないかと考えている。
作者は「温田(ぬくた)の駅前の〇〇食堂でお母さんと食べたうな重はうまかった」とたどたどしく話をしてくれた。きっとお母さんと歩いた行商の日々は大切な思い出であり、幸せな時間だったのだろう。お母さんを想う寂しい気持ちも作品に込められているのかもしれないが、そのセロテープはお母さんとの思い出をあったかく包み込もうとしているかのようでもある。(関)

 

 

「無題」2018

「東京2020 NIPPONフェスティバル」共催プログラム
信州・アート・リングス ~文化でつながる。文化を創る。そして美しい未来へ~

長野県では、(公財)東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会と
「東京2020 NIPPONフェスティバル」共催プログラムを開催します。
長野県の魅力ある文化プログラムをお楽しみください。

東京2020 NIPPONフェスティバル

主催-長野県/長野県教育委員会/ 信州ザワメキアート展2021 実行委員会
共催- (公財)東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 / 茅野市美術館
長野県 令和3年度 障がい者の芸術作品展開催事業
長野県県民芸術祭2021参加

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