佐々木 龍也

ささき たつや

 

2000 年生まれ 伊那市在住

 

佐々木さんは、プラスティックの数え棒(小学校で数の概念を学ぶための教材)を使って文字を並べていく。メッセージのような短い文章や、好きなテレビ番組の出演者の名前が、床に敷かれたマットの上に一気に並べられていく。彼は、並べたい文字が完成するとすぐに片付けて、また次の文字を並べ始める。

 

 

2018年図録より

 

休憩室の一角が、彼のスペースだ。
その日も、体を揺らして何やらつぶやきながら、プラスティックの数え棒を色別に揃えていた。手のひらに数本持ち、色や裏表を納得がいくまで揃えると、文字を並べ始める。彼の頭の中にはその配列が浮かんでいるのだろう。一気に漢字の部首をいろんな角度から並べる。その日は「小松敬子 本人評価額70 万円」と書いた。(なんでも鑑定団が好き!)
一通りの文字(文章)が出来上がると、さっと棒を集めて片づけて、また次の文字へと移っていく。その一連の行為がパフォーマンスアートのようでもあり、ぜひその姿を見ていただきたい。
保育園の頃から積み木を使って「日本」など簡単な漢字を並べ始め、養護学校では、モールやジェンガを使って並べていたという。当時、TV のお気に入りのシーンを一時停止にしてずっと見ていたり、エンドロールに流れる出演者やスタッフの名前を母に描いてもらうことも日課で、やがて自分でも書くようになった。人名やクイズ番組で見た文字あてクイズの再現が多い。日中通う事業所でも、その記憶力の高さはいかんなく発揮されていて、仕事の段取りや製品の組み立ての方法なども一回で覚え、正確に再現できるそうだ。パソコンを使い文字を打つことも出来るが、それを使って意思表示をすることは難しいという。彼にとって、文字とはなんだろう。一角一角、棒で成り立つ面白い図形なのだろうか。
きっと彼は今日も、午前中の仕事をしっかりこなした後の休憩時間に、お気に入りの犬の置物を携えて、お気に入りの場所で、文字を並べている。(鈴木真)

 

 

「無題」2018

 

 

 

「無題」制作年不詳

「東京2020 NIPPONフェスティバル」共催プログラム
信州・アート・リングス ~文化でつながる。文化を創る。そして美しい未来へ~

長野県では、(公財)東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会と
「東京2020 NIPPONフェスティバル」共催プログラムを開催します。
長野県の魅力ある文化プログラムをお楽しみください。

東京2020 NIPPONフェスティバル

主催-長野県/長野県教育委員会/ 信州ザワメキアート展2021 実行委員会
共催- (公財)東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 / 茅野市美術館
長野県 令和3年度 障がい者の芸術作品展開催事業
長野県県民芸術祭2021参加

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