池内 浩史

いけうち ひろふみ

 

1999 年生まれ 塩尻市在住

 

生命が地球上に誕生してから40 億年にわたる生物のスペクタクルを一枚の紙に描いた。その緻密さと正確さは膨大な知識と記憶の蓄積である。自分が納得しないと作品を完成させたことがないという池内さんが、初めて最後まで取り組んだ作品である。

 

 

「生命大躍進」
色鉛筆、ボールペン、画用紙

 

 

2019年図録より

 

「ザワメキアート」に応募するために、初めて最後まで取り組んだ作品。自分が納得しないと、人に見せることなく、破る、捨てるを繰り返し、現在作品として存在するものが、この他には無い。自分の中にある地球誕生から始まる壮大なドラマとデータをもとに、下書き無しで、これだけの緻密さで描いたことに驚く。下部右寄りの「スタート」から始まり、先カンブリア時代→カンブリア紀→デボン紀…と時計回りに時代は進み、その中で生命は繁栄と絶滅を繰り返し、そして人間へと続く40億年の進化の歴史が描かれている。描かれた恐竜について作者に問うと、その名前、学術名、年代、発見された場所、大きさ、なぜ進化し絶滅したかまで、ふだんは会話をあまり好まない彼が、熱心に応えてくれる。お母さんのお話によれば、ベビーカーに乗っている乳児の頃から生き物が大好きで、目で追っていたそうだ。国立科学博物館には何度も足を運び、著名な先生に自分の知識をもとに話しかけ、握手をしてもらったことも大切な経験だ。「生命大躍進展」(2015 年、国立科学博物館、NHK、NHK プロモーション)の感動がきっかけで、データ収集がはじまり、本展では4 章仕立てのものが、彼の構想によって、現在第15 章にまで広がっている。それを大好きなディズニーから、映画化するのが彼の夢だ。「絶滅危惧に瀕した動物と地球を救う考えを持ってほしい。」作者からみなさんへのメッセージである。(鈴木真)

 

 

「生命大躍進」2019

 

 

 

 

 

 

主催  長野県 | ザワメキサポートセンター
共催  長野県教育委員会 | 信州アーツカウンシル(一般財団法人長野県文化振興事業団)
障害者芸術・文化祭のサテライト事業
長野県県民芸術祭2023 参加

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