荻原 徳博

おぎはら のりひろ

 

1968 年生まれ 北佐久郡軽井沢町在住

 

荻原さんの描く似顔絵は、周囲の人を笑顔にする。現在住んでいる福祉施設で暮らし始めた頃、生活の環境が変わったせいか絵を描くことは不安や苦しみを吐き出す表現であったが、今ではコミュニケーションを円滑にする手段となったようだ。

 

 

イラスト(左すべて) 似顔絵( 右すべて)
油性マーカー、紙

 

 

2018年図録より

 

荻原さんは42 歳まで精神病院にいたが、退院プログラムにより福祉施設に入所した。施設に入所した当初は、ボールペンやサインペンを使って植物や魚、昆虫などを描いていた。長年生活した病院から施設に移って生活が大きく変化したことに戸惑っていたのか、その頃の作品は気持ち悪くて長い時間見ていられなかったという人がいるくらい、ギラギラした色彩の何重にも重なる線で描かれたものだった。しばらくして施設の職員の一人の顔を描いたところ似ていると評判になり、次々に職員や利用者などを描くようになった。施設の生活にも徐々に慣れた頃で、似顔絵の横に「きれいな顔」とか「ありがとうね」といった相手との会話の一部も書き込まれており、それぞれの人とのコミュニケーションを楽しんでいるのがわかる。その似顔絵は荻原さんの目というカメラで写されたポートレートであり、描かれた人との関係性やその時々の気持ちが表れている。(大谷)

 

「アゲハチョー」2011 年頃

 

 

 

「しくらめんの絵」2011 年頃

 

 

 

「うぐい」2012 年頃

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「似顔絵」 2013 年頃

主催  長野県 | ザワメキサポートセンター
共催  長野県教育委員会 | 信州アーツカウンシル(一般財団法人長野県文化振興事業団)
障害者芸術・文化祭のサテライト事業
長野県県民芸術祭2023 参加

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